日本式の教育とインター校の教育

海外にいると、子どもがいる駐在員家庭では、子どもを日本人学校とインターナショナルスクール(インター校)に入れるか悩むことがあります。あくまで私が見た印象では、駐在予定が3年以上だとインター校、3年以内だと日本人学校に入れる家庭が多い印象です。

先日、駐在員の奥様とお話をした時に、今はインター校に通わせているが、日本の学校とインター校の教育が違うので、帰国後日本の学校に適応できるか心配だという話がありました。

日本式の教育とインター校の教育では何が違うのか。私が聞いた限りでは…

第一に行儀作法。日本では机は座る所ではないので、座っていたら怒られますがインター校では怒られません。むしろ先生が生徒の机に腰をかけて話をします。授業中に水筒の飲み物を飲むと日本の学校では大概怒られますが、インター校では怒られません。

第二に、授業態度と成績の関係。日本ではテストの成績を基準に成績がつけられます。インター校ではテスト結果ももちろんですが、授業態度が積極的で、間違っていても発言する生徒に良い成績がつけられる傾向にあるようです。発言しないと参加していると見なされないのです。

第三に、インター校によりけりであることをお断りしておきますが、英語ができない生徒に対して特別にフォローしない学校があります。そういう学校は英語ができない生徒の入学を許可しません。できる生徒はどんどん伸ばそうとする傾向があるそうです。それに対して日本の教育は、できない生徒がいるとフォローしてクラス全体のレベルを保とうと努力します。教育機会の平等を重視しています。(みんなが戦力になろうとするのは、戦後の高度経済成長の理由ではないでしょうか。インター校では、エリート候補はエリートになるべく教育を施し、その他はそれなりに…の考えがあるのかもしれませんね)

第四に、教育設備の違い。(例外もあるでしょうが)インター校では学内にWi-Fi環境を整えて、一人一台PC所有を課し、提出物のやり取りをデータで行うのが多いのに対し、日本の学校ではWi-Fi環境がなく、紙ベースで提出物のやり取りをするのが主流です。

第五に、学校と生徒の個性によりけりでしょうが、日本の学校の生徒は、先生がメインで生徒は黙って授業を聞くスタイルに慣れています。インター校の生徒は、どんどん発言して提案する授業スタイルに慣れているように見えます。

細かく挙げればきりがありません。あくまで今日現在の私が聞いて捉えた違いです。日本の教育に慣れた者としては、インター校の生徒の積極性は羨ましいです。ただ、空気を読み、集団の調和を保つ日本人の特性は必要なことです。まもなく東日本大震災から丸5年が経つ今、あの時の日本人の調和は普段の生活の賜物でした。災害大国だからこそ身につけてきた調和だと思います。双方の長所を併せ持つハイブリッドが望ましいですね。大人になった今では、最初に受けた教育をベースに、自分でハイブリッドに再教育できると考えたいものです。

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